実家が汚すぎて泣きたい!
親が片付けなさすぎて、実家に帰るたびにイライラする!
そんな悩みを抱える人へ親を説得して実家を片付ける方法をまとめてみました。
これを読んだら、親を説得するきっかけを作れると思いますよ。
目次
親を説得する大前提
親をコントロールしようとしない
親子であっても、所詮は別の人間。
「なんで片付けてくれないんだろう」「どうしてものを増やすのだろう」と、理解できない親の行動があるのは当然です。「常識的に考えておかしい!」といくら思っても、親は親の価値観がありますから、こちらの意見を受け入れてもらえないこともあるでしょう。
「断捨離」の言葉を提唱したやましたひでこ氏の著書『実家の断捨離』(双葉社)によりますと、まずは子どもである私たちが良い意味で「親離れ」するというのが実家を片付けるカギとなります。幼少期から親に言われて腹がったこと、親を恨んでいる気持ちなど、そういった積もった感情が、片付けをきっかけに噴出する可能性があるので注意が必要です。
実家の片付けは、これまでの親への恨みを晴らす「代理戦争」の場ではありません!
親は親、自分は自分と割り切って、小さい範囲でよいので、できる部分から着実に片付けていくことがおすすめです。
- 親をコントロールしようとしない
- 親の価値観を否定しない
- いきなり全部片付けようとしない
「捨てて」はNGワード
親の世代にもよりますが、現代の親世代は物がない時代の可能性が高く、ものを大切にしたり、ものを捨てるのはもったいないという価値観の人が多いです。
そのため、どう見ても不要だろうと思うものでも「もったいないから捨てたくない!」と言って処分を拒みがちです。その際、つい「いらないから捨てて!」と言ってしまいそうになりますが、そうすると親は余計に意固地になり、ものを手放さなくなります。
また、親のものを勝手に捨てるのは絶対NG!「もう2度と片付けないでくれ」と言われてしまう可能性すらあります。
処分するかどうかは親の意見に従いましょう。ただし、どれも処分せずにいたら片付けは一行に進みませんから、「一時保管箱」を活用することをオススメします。捨てるかどうか迷ったものはとりあえず「一時保管箱」へ。片付けの最後に「一時保管箱」は収納しておき、1年後に一度も使わなかった場合、処分または買取に出すことを検討してもらいましょう。(私は収納せずそのまま買取に出します!)
- 「捨てて」は言わない
- 親のものを勝手に捨てない
- 処分すべきか迷うものは「一時保管箱」へ
上記2点の大前提をしっかり心に刻んだ上で、次のステップへ進みましょう!実家の片付けで親と衝突するたびにこの大前提を思い出してくださいね。
防災を理由に親を説得しよう
まだまだ記憶に新しい、阪神淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)、日本は地震大国です。これは日本に住んでいる限り、避けて通ることのできない事象で、いつ起こるかわからない災害に、常に備えておかなければなりません。
年を取るに連れて頑固になっていく親に対して、「片付け」を訴求していくことはとても難しいです。親にとって子どもはいつまでも子ども、子の意見に簡単に従いたくないと思っており、素直に意見を受け入れてくれないからです。
「年取ると大変だから今のうちやっときな!」と高圧的に言うのではなく、防災の観点から「もしもお母さんやお父さんに何かあったら心配だから」という理由で優しくアプローチしていきましょう!
実際に、防災の観点からどのような片付けをすべきか紹介していきたいと思います。(参考:MAG MOOK 『実家の片付け』(マガジンハウス、2018年))
寝室には何も置かない
- ベッドや布団のみを置く
- タンスや本棚は倒れかかってくる可能性があるので撤去
阪神淡路大震災は、明け方に発生しました。就寝中に大地震が起きる可能性も十分ありますから、寝室にはベッドや布団以外のもの、横転する可能性のある家具は置かないようにしましょう。
実際に親が寝ている場所に寝転がり、周りの状況を確認してみるのがおすすめです。
わかりやすい場所に防災バッグ
- マイ防災バッグを準備する
- 家族全員が場所を知っておく
防災バッグは市販品もたくさん売っているので、時間がない人はこちらがオススメ。
ただし、人それぞれの暮らしによって必要なものも異なりますので、できれば自分でカスタマイズした方がお金もかからないし、いざというとき本当に役立ちます。
避難経路や避難所に行った際の連絡方法など、もしもの時のことをこの機会に親子で話し合っておきましょう。遠方に住む親ならなおさらです!
- 鍵
- 水
- 携帯電話(充電器含む)
- 現金
- おむつ
- 懐中電灯
- ホイッスル
- 防塵マスク
- 簡易栄養食
1週間分の備蓄用品を準備
直接的な地震がなかったとしても、例えば富士山噴火等で火山灰が町中に降り注ぎライフラインが寸断される可能性もあります。記憶に新しいのは2022年1月15日に起こったトンガの噴火。火山灰が降り注ぐと、車が動かせなくなったり、通信網が遮断されたりして、必要な物資が自分の手元に届かない可能性が高くなります。
ライフラインが断たれた時のために用意しておきたいものは、備蓄食料などけっこう多く、父母2人分・1週間=押し入れ半分のスペースが必要になります。押し入れの片付けをしっかり行ってから取り掛かりましょう。
- カセットコンロ&ガスボンベ
- 懐中電灯
- 簡易トイレ
- 充電式ラジオ
- 7日間分の常温保存食品
- 水(1日3l×7日分、2l高齢者に重すぎるので500mlペットで準備)
- 上履き など
玄関以外の出入り口も確保
もしリビングでくつろいでいるときに大地震が起こったらどうでしょう?いつも出入りしている玄関が塞がってしまう可能性もあるので、リビングから外への脱出方法、書斎から外への脱出方法など、さまざまなパターンを想定しておきましょう。
脱出経路を確認したら、経路となる部分にはものを置かないで、いつでも通れるよう導線を確保しましょう。
災害時の動きを親子で確認するだけでも、いざというとき慌てなくて済むので本当におすすめです。
枕元に薬・医療器具を準備
- 他人の持ち物から代替できないようなもの(常備薬、医療器具、メガネ、コンタクト、補聴器、入れ歯など)は普段から枕元に準備する
もし災害が起きて、薬が飲めない日が続いた場合、命に関わる場合もありますので、これらは必ず準備しておきましょう。
防災を理由に親を説得するまとめ
丁寧にやると結構大変なのですが、一度片付けて準備してしまえば、あとは1年に1度メンテナンスすればいいだけ。いざというとき親子で困らないためにも、普段から話し合っておきましょう。
そして片付け嫌いの親、片付けると怒る親も、防災の観点からだったら説得できるかもしれません。
- 【寝室の片付け】寝室には何も置かない
- 【押し入れの片付け】1週間分の備蓄を準備
- 【リビングや書斎の片付け】玄関以外の脱出経路を確保
老後の心配事を理由に親を説得
こちらのグラフからもわかるように、高齢者の救急搬送の原因の8割以上が「転倒」になります。また、転ぶ場所は家庭内などの居住場所。
寝室や居間であっても、ちょっとした段差やカーペットのふちなども高齢者にとっては転ぶ原因となります。さらに、無造作に床置きした荷物などを避けようとしてバランスを崩すこともあるので、とにかく散らかっている家は危険がいっぱいであることを親にはしっかり説明したいところです。
防災の観点からのアプローチと同じく、上から目線ではなく、「お父さん、お母さんが心配だ」という視点で話しましょう。
風呂・脱衣所の片付けから始める
お風呂や脱衣所が片付いていないと、着替えに手間取るためお風呂嫌いになってしまったり、下着の着脱時に躓いたときに物にぶつかってケガをしてしまったり、よくないことのオンパレードです。
また、先々実家で介護することになった場合、ヘルパーさんの入浴補助が入ったりするので、お風呂場や脱衣所の片付けは必須です。
洗面所や脱衣所は思い出の品も少ないので片付けやすく、作業が捗りやすいのでオススメです!まずは風呂、脱衣所の片付けから手をつけて、片付けのリズムを作りましょう。
- 足拭きマットはできれば床面との間に滑り止めをしく
- 化粧品は肌につけるものなので、1年以上前のものは処分
- 浴室内のシャンプー、リンスの数は絞り、不要なものは処分
寝室⇄トイレの導線を見直す
私たち子世代にはわからないかもしれないですが、高齢者は夜中に何回も起きては、寝室とトイレの行ったり来たりを繰り返します。夜は真っ暗でまわりは見えないので、寝室とトイレの間には何も置かないようにしましょう。
この準備をしておけば、たとえ停電になったとしても対応できます。
- 導線上に足元照明をつける
- トイレのドア近くにはものを置かない。トイレ内で倒れた場合、ドアが塞がれて救出できないことがあるので注意する。ドアは少し開けて用を足してもらってもよい。
老後の心配を理由に親を説得するまとめ
災害対策の時と同様、片付けるのは大変ですが一度やってしまえば、あとはメンテナンスを多少すればよいだけ。長年溜め込んだ家族の問題を、ここで解消できるよう頑張りましょう!
- 風呂場、洗面所から片付ける
- 寝室とトイレの動線を見直す
それでも親が片付けをしてくれないとき
写真を撮って現状を認識してもらう
親世代は、老眼や白内障を抱えており、単純にホコリやゴミが見えないという問題があります。また、加齢による認知機能の低下もあるので、「散らかっている」こと自体認識できていない可能性があります。
そんな時は、スマホで部屋の写真を撮って見せてあげましょう。全体を写した部屋の写真を見ることで、改めて親自身が家の状態を認識できるようになるかもしれません。
兄弟・姉妹・親戚に協力してもらう
もしきょうだいがいるのなら、事前にきょうだいに相談し、親への説得を一緒にしてもらうようにしましょう。親が高齢化するに連れて、介護や相続など、きょうだいの協力が必要になることが増えていきますので、実家の片付けを通して今のうちから連携を増やしていくことをおすすめします。
あまり連絡を取っていなかったきょうだい、親戚でも、連絡を取って困っていることを素直に話せば、案外協力してくれるはずです。連絡しづらいかもしれませんが、勇気を出して話してみましょう。
不用品を1つお金に変えてみる
自分のものでも親のものでもよいので、明らかに不要なものを買取業社やメルカリに出してみて、お金に変えてみましょう。やる前に親に話しておくのがポイント。目の前で不用品がお金に変わった様を見れば、親の態度が変わる可能性があります!
売上金額が少額でも構いません。処分費がかかるどころか、多少のお金になることを目の前で実際に証明してあげましょう。そしてそのお金で親にコーヒーでもご馳走するのはいかがでしょうか?
遺品の整理屋さんってどう?費用やサービス内容について徹底解説!親を説得して実家を片付ける方法まとめ
いかがでしたでしょうか?
親を説得して片付ける方法をもう一度おさらいします。
- 親をコントロールしようとしない
- 「捨てて」はNGワード
- 防災の観点から片づけの必要性を訴える
- 老後の心配から片付けの必要性を訴える
- 散らかった状態を写真に撮って親に見せる
- きょうだい、親戚に手伝ってもらう
- 不用品を1つお金に変えてあげる
親子と言っても所詮は別の人間。お互い理解できないことがあって当然です。
分かり合えないのに、無理に衝突を重ねてお互い疲弊するのではなく、親を尊重し、丁寧に説明、説得を重ねた上で、できる部分から小さく片付けて行きましょう。
良い片付けができますように!!